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2013/04/19

メディアリテラシーを高める4冊

『議論のウソ』(講談社現代新書)小笠原喜康

『テレビ報道の正しい見方』(PHP新書)草野厚

『社会調査」のウソ -- リサーチ・リテラシーのすすめ』(文春文庫)谷岡一郎

「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(双葉新書)マーティン・ファクラー

ファクラー氏は、3.11震災発生後、日本人記者たちが全員避難した南相馬市に入って取材活動を行い、日本の新聞が伝えなかった生々しい様子を報じた。(President Online 新刊書評)

2013/04/04

【新出語:樽のディオゲネス】

ディオゲネス:古代ギリシアの哲学者。犬のような生活を送ったので「犬のディオゲネス」と呼ばれた。→ 犬派(キュニコス派)

                   ↓
cynical(皮肉な、冷笑的な)は、キュニコスを表す英語 cynic の形容詞形

「犬のような生活」とは「あらゆる慣習的行為や社会通念を軽蔑した極貧生活」のこと。ディオゲネスは、横にした大樽 (a large ceramic jar) の中で寝泊まりしたという。

犬儒派は
「徳」を人生の目的とし、欲望から解放されて自足すること、動じない心を持つことが重要と考え、心と体の鍛練を行った。

(Sources: Wikipedia, Britannica Concise Encyclopedia)

2013/04/02

【誤訳語:民主主義】

「民主主義が誤訳語とは、驚かれる方も多いでしょう。

この語は言うまでもなく democracy の訳語ですが、なぜか「民主主義」と訳されました。

「○○主義」となるのは、
socialism(社会主義)、communism(共産主義)のように -ism で終わる語です。 

Oxford Dictionary of English によれば、 -cracy は  "denoting(以下の意味を持つ)a particular form of government, rule, or influence" (ある特定の統治、支配、勢力の形)とあり、ギリシア語の -kratie( 'power, rule')が語源であるとわかります。

democracy は theocracy(神政)や aristocracy(貴族政)と同じように政治制度の名称なので、正しくは「民主政」(または「民主制」)なのです。

(Source: 橘玲『(日本人)』, p. 184)

2013/04/01

「高校の英語の授業は原則英語で」に思う

平成25年度が始まった。

この4月から、学校英語の現場で大きな変化が起こる(はずだ)。2008年に出された学習指導要領改定案により、この4月から高校1年生の英語の授業は、*原則として英語で行うことになったのだ。

*原則とあるのは、100%英語でなくてもよい、ということで、文法の説明等、限定的に母語(日本語)を用いてもよいということだ。実際、母語の適度な使用(冗談など)は、生徒とのラポールを築く上でも有効である(→ 拙著  Numaya, Mareo, Code-Switching of a Bilingual Japanese/English Teacher in an Elementary JFL Classroom, MA Research Paper, Southern Illinois University at Carbondale, 1993)。

基本的にこの方向に賛成である。
というか他国では母語をなるべく使わないで英語を教えるのは当然のことで、日本だけが母語で英語を教えてきた。

英語は漢文学習とは異なり、読む・書くだけでなく、聞く・話す力もつけないと、実際のコミュニケーションの場面で、役に立たない。

ようやく日本の英語教育も、文法訳読方式(多分に漢文教育の影響を受けていると思われる)を脱し、コミュニケーション重視の方向へ大きく舵を切ることになる(はずだ)。

けれども、手放しで喜んでばかりもいられない。以下、この流れをホンモノにするために必要な改善点を挙げたい。

(1)英語教師の実践的英語力向上 
(2)英語専用教室
(3)「異なる価値を認めない空気」の一掃
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(1)英語教師の実践的英語力向上

英語教師は、他教科以上に日々の研鑽が求められる。英語は言葉なので、日常的に触れる努力をしないと、錆び付いていく。指導法も今回の指導要領改定案のように、大幅に変わることがあり、特に年配の教師は、採用試験で求められなかった実践的英語力を、努力して身につけなければならない。校務多忙の中、この力を身につけるのは容易ではない。

そこで、是非とも大学(特に教育系)では、夏期休業期間等を利用して、英語教師向けのブラッシュ・アップ(錆落とし)講座を開いてもらいたい。(研修費が自腹にならないように、年休でなく研修として参加できるようにして。)

(2)英語専用教室

英語の授業は、英語専用の教室で行うことが望ましい。これは、生徒の頭の中を英語モードに切り替えるために不可欠だ。数学や国語の授業を受けた教室で、そのまま英語の時間になっても、モードを切り替えにくい。壁に英語に関するポスターなどが張られた「英語空間」を作ることで、生徒は英語モードに入りやすくなる。(この教室に一歩入ったら日本語は使えないというルールを作ってもよい。)

(3)
「異なる価値を認めない空気」の一掃

一朝一夕には難しいが、「みんな違ってみんないい」が名実ともに実現するように学校全体の雰囲気を変えていく必要がある。そのためには、藤原和博元和田中校長が主張するように、地域の人に学校に入ってもらい「斜めの関係」(私の解釈では、成績評価を意識しないでつきあえる年長者)を多く作るのもいいだろう。さまざまな大人と接することで、異なる価値観の受容力が高まるに違いない。

中高生の年代は、思春期とも重なり、人前で恥をかきたくない気持ちが強くなる。シャイな生徒にどう「伝える力」をつけさせるか工夫が必要だ。ロール・プレーイング(役割演技法)は、RPGに慣れている子どもたちには、入りやすいかもしれない。また、劇作家・演出家の平田オリザ氏が書いているように、「演劇」を教えることもコミュニケーション力向上に役立ちそうだ。(欧米の学校には、実技科目の中に「演劇」がある。)

グローバル化が進む中、英語力不足のせいで国際競争力が落ち、韓国や中国の後塵を拝すようになってはならない。

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