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2012/07/13

経験したことのない大雨

主語を補う

気象庁が使った「これまでに経験したことのない大雨」という表現。以前使っていた、総雨量が何ミリ、気圧が何ヘクトパスカルではピンと来ない、という被災地の人たちの意見を取り入れ、今回初めて、長文形式に加えて、使用されたという。

たしかに、雨量や気圧配置について詳細に長々と書かれても、危機感を喚起しにくい。「経験したことのない大雨」と言われれば、「これは一大事!」ということで行動につながりやすい。早めの避難で助かる命もふえるだろう。


ただこの短文情報、情報量が落ちた分、注意が必要だ。


「これまでに経験したことのない」の主語はいったい何か?


人類? 日本人? 九州に住む人? ある特定の地域に住む人?


日本語は主語を省略できる言語だから、このへんが曖昧になりやすい。主語によって、その人の経験の範囲(時間の長さ)が変わってしまうのだ。

NHK NEWS WEB 24に出ていた解説者によると、「これまでに経験したことのない大雨」とは 「ある地域で50年間に1度あるかないかの大雨」のことだそうだ。ということは、主語は「ある特定の地域に住む人」ということになる。


そして、「これまでに経験したことのない」は「未曾有の」の言い換えではないことがわかる。(未曾有:今までに一度もなかったこと [明鏡国語辞典])


そんなの文脈から明らかだよ、と言うかもしれないが、動詞だけの文を見たとき、一応確認のため、主語は何か考えるクセをつけるのはムダではないと思うのである。


 
 この度の豪雨で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

(ぬ)

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